第5回 喫煙所トークから新規事業がスタート!?

社員同士の会話を見える化できる“ビジネス顕微鏡“という画期的な製品を日立ハイテクノロジーズ社が開発されました。このビジネス顕微鏡というのは、社員同士のコミュニケーションを見える化する事で、これまで定量的に把握することが困難だったホワイトカラーの業務中の活動状況や組織内のコミュニケーションの実態を明らかにできるシステムです。名札型のセンサーを社員が首からぶら下げ、社員同士の会話の内容をセンサーが反応し、サーバーに蓄積します。会話の中でうなずいている様子や小走りに移動しているなどの動きまでわかるそうです。

このセンサーにより、組織の壁、関連部門間の連携、チーム内のコミュニケーション、幹部の情報伝達の状況等を分析でき、組織、チームの強化ポイントが発見され、改革へと導くことで組織力をより高めることができるそうです。また、コミュニケーションがどこで、どの様に行われているかを分析することにより、知識創造を生み出す環境づくりも促進できるそうです。

あるITベンチャー企業がこのサービスを導入したところ、思わぬ効果があったそうです。それは、喫煙所での社員同士のインフォーマルな会話から新規事業のアイデアの話が出て、それがそのまま事業化されたという話です。もしこのセンサーを導入していなければ、そのまま喫煙所での話だけに終わり、せっかくのアイデアもお蔵入りになっていたそうです。

一方では、会話を盗み聞きされたり、縛り付けられているように感じ、反発する社員も中にはいるでしょう。ですので、導入の際は、トップダウンで行うより、メリット・デメリットを伝えたうえで、社員に理解を求め、導入するのが健全のようです。

このセンサーを有効活用する事で、先進国の中で最も低いと言われている日本のホワイトカラーの労働生産性が改善され、日本経済が復活すれば嬉しいですね。