第7回 7割は課長にさえなれません

夢の大企業に就職しても、今のように日本経済が停滞していると、ポストが無く7割の方が課長にさえなれず、飼い殺しにされる今の日本の雇用に問題提起をしている本です。

他にも、「30歳フリーター」「2人目が産めない女性社員」「35歳転職上限説」「高学歴ワーキングプア」など、年齢差別、女性差別について、物語風にそれぞれ主人公を変えて書いています。フィクションですが、綿密に取材をされているようで、本当にリアルで現在の雇用問題が手に取るようにわかります。

著者が一貫して伝えている事は、今の日本は閉塞感が漂い、とても生きにくい国であり、それを解決するのは人材の流動化であるという事。少子化により労働力が減っている中、移民の採用には積極的な企業も、フリーターや主婦は採用しない、新卒の機会を逃すと仲間には入れない大企業、など色んなケースが描かれており、雇用問題を考えるきっかけとなる一冊です。