第136回 入社したい人じゃなく、入社してほしい人を採用する。

「嘘でも第一志望と言った方がいい」 ある人事担当者が学生に伝えていました。

「第二志望と言う学生を採用するわけないやん、常識や」と続きます。この会社は、自社が欲しい人材ではなく、自社に入りたい人材に内定を出すそうです。知名度の低い中小企業の場合、この考えでは採用は難しいと私たちは考えます。モテない人が、「自分を好きになってくれないと、こっちも好きにならない」と言っているようなもんです。

Googleや任天堂、サントリー、集英社、フジテレビなど、就活を始める前から志望してくれる学生がいる人気企業なら、その考えでいいかもしれませんが、ほとんどの企業はそうではありません。就活をスタートしてから初めてその存在を知ってもらうわけです。

しかも新卒採用をしている企業は、貴社以外にごまんとあります。そんな中で「自社が第一志望じゃなきゃだめ」というのは少し酷ではありませんか。最初から入社したいかどうかは関係ありません。 自社が入社してほしいと思う人を、入社したいと思わせるのが、人事担当者の腕の見せどころです。「あなたが第六志望でも、第七志望でも関係ない。私たちはあなたと一緒に働きたい。」そう思えた学生を口説き、第一志望に育てるのが中小企業の戦い方です。

また「御社は第一志望です」と言ってくれた学生に内定を出したのに辞退された、そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。それは因果なことですが、「第一志望じゃなきゃ内定を出さない」という企業が多いから、こんな事態が起きてしまうのです。

誰も得しない、お互い不幸な状態です。相手が自分を好きかどうかは関係ありません。自分が好きという気持ちを大切にして、想いを伝えてください。志望動機も必要ありません。逆に合格理由、内定理由は全力で伝えてください。入社したい人の中から選ぶのではなく、“入社してほしい人に、入社したいと思ってもらう”ことが、中小企業の採用活動です。