第138回 どこでも働ける時代に、地方企業はどう戦うか。

NTTが転勤や単身赴任を廃止の方向で検討していると発表がありました。基本リモートワークとなり、社員自らが働く場所を選べるようにするそうです。カルビーも一年前に所属長の許可が出れば単身赴任を解除できると発表し大きな注目を集めました。

実はその一年前に、ある大手化学メーカーが育休明け直後の男性社員に単身赴任を命じ、そのご家族の方がTwitterで「不当だ」と投稿し、瞬く間に大炎上した事件がありました。 これまで会社員なら当然とされていた転勤や単身赴任が、この一件で風向きが変わったように思います。この流れは今後加速していくことは間違いありません。ユニクロや武田薬品工業が導入している地域限定社員制度を取り入れる企業も続々と増えています。地元を離れず、憧れの大企業で働ける時代が当たり前になってきます。

さてそんな中、地方企業はどう戦っていくのか。現状では地方企業の多くが、これらの流れに逆行しています。地方に本社を置く企業でも、拠点が他にもある企業は、転勤や異動が当たり前になっています。私たちが新卒学生に地元本社の企業を紹介しても「いや、でもこの会社、東京とか名古屋にも拠点があって転勤の可能性があるって聞きました」という理由で断られることが多々あります。

「はりまっち転職」の登録者からは、「家を購入した後に転勤を命じられた」「地元の企業だから就職したのに結局東京に飛ばされることになったので、今度は地元にしか拠点がない会社に転職をしたいです」といった相談が多く寄せられます。「せっかく地元本社の会社に入社しても地元で働けるわけではない」というのが、就職における大きなネックになっています。逆に東京本社の大企業が、地元で転勤なしで働けるのなら、そちらに目が向くのは自然な流れです。

全国転勤を前提とした人事制度はもう限界を迎えています。採用は現地で行い、希望しない転勤を廃止することが、地方企業が人事採用戦略において、真っ先に取り組まなければいけない最重要かつ最緊急事項です。