第139回 採用に強い会社は何をしているか

「52の事例から読み解く 採用の原理原則」とサブタイトルが付いている通り、とにかく事例が豊富です。

事例は大資本企業が多いですが、当書が優れているのは事例を紹介するだけで終わらず、それらをきちんと抽象化して、企業規模に関係なく使える原理原則まで落とし込んで伝えてくれている点です。
採用CX(求職者体験)を「出会う」「見立てる」「結ばれる」の3つのフェーズに分けて解説されていて、それぞれのフェーズでの成功例が書かれています。

著者は、リクルート、Amazon、PwC、LINEで、自社採用はもちろん、他社採用にも関わり、様々な採用成功を体験されています。
1社だけの採用経験を基に書かれたものや人材会社のPRがゴールのものとは違い、多くの事例から自身の体験を交えた解釈を加え、それをデータで裏付けていらっしゃるので説得力も再現性も高い内容となっています。

この本を読む際は「事例が大手ばかり。うちには真似できないよ」と思うのではなく、「自社で転用できるとしたら?」という視点で見てください。
本や成功事例を読む際は、そのまま真似をするのではなく、本質や原理原則を抜き出し、自身への転用に落とし込むことがポイントです。