第142回 採用活動の常識によって、失われる相手視点。

「あの人、マイクを持つと人が変わるよね」
「〇〇さんは普段優しいのにハンドルを握ると怖いよね」
など、カラオケや運転で普段と違った一面を見せる人がいます。
同じように、普段とても聞き上手で気配りができる方が、採用活動になると急にその視点が無くなり自己中心的になることがあります。

たとえば、自分は一方的に20分も話を聞かされるのは辛いのに、会社説明会で自身がプレゼンする際は「20分だと短すぎて魅力が伝らない。もっと長くしてほしい」と思い、オンラインセミナーでは受講者の立場ではカメラオフで参加するのに、発信者の立場だと学生にカメラオンを求め、デート(面接)をする条件として自分への想いを文章にまとめて提出させ(ES提出)、まだ出会って数回の学生に「私のどこが好き?」と(志望動機を)聞き、相手の都合を聞かずにデートの日を勝手に決め、合わなければもう脈無しと判断する。

冷静に見てみるとなかなか一方的ではありませんか。
でもこれらが採用活動の常識と言われ、特別に性格の悪い人事担当者だけがやっているわけではなく、多くの企業が同様のことをしています。

つまり採用活動の常識と言われているものは、完全に相手視点が抜け落ちているのです。この間違った常識が、普段優しくて相手想いの人事担当者を自己中心的に変えてしまうのです。
採用活動も人間関係と同じように、自分がされて嫌なことは相手にも強要しないことが基本です。

ぜひ一度この採用活動の常識を疑い、「この行動は相手のためになっているのか?」「学生の立場で考えるとこの要求はどうだろう?」と求職者の立場になって再考してみてください。
これをするだけで他社との大きな差別化になります。

播磨の企業が一丸となって、このおかしな当たり前を壊すことで、「播磨の会社って良い会社が多いよね」と全国に口コミが広がり、若者がこぞって播磨に集まる、そんな世界を作りたいと思っています。ぜひ播磨からこの常識を変えていきませんか?