第143回 上から目線は、瞬く間に炎上する社会。

「今日の仕事は、楽しみですか?」
JR「品川」駅にある数十台のデジタルサイネージに表示された広告。これが大勢の方の反感を買い、広告主は即日謝罪し、この広告は1日で終了となりました。
この炎上事件に関して、みなさんはどう考えますか?

炎上は他人事ではありません。むしろ人事担当者は非常に炎上しやすい立場であります。
それはどうしても「選ぶ」立場だと勘違いしやすく、採用シーンで無意識に上から目線になってしまうことがあるからです。
何気ない一言が大炎上し、これまで積み重ねてきた会社の信頼が一気に失墜します。それくらい人事担当の発言は慎重にならないといけません。

特に最近は人事担当によるSNS発信が増えています。SNSを巧みに利用しフォロワーを増やし、採用成功に繋げている経営者や人事担当がいらっしゃいます。
しかし同時に、人事担当のSNS炎上事件も増えています。

有名なのはこの2つのツイート。
「採用は“採ってはいけない人”を見極める仕事だ」
「給与や待遇にこだわりのある人とは働きたくないのです」
どちらのツイートも投稿直後、瞬く間に大炎上。これまで順調に運用していたTwitterも、この炎上事件以降ツイートされることは無くなりました。

SNSだけではありません。インターンシップや説明会での人事担当者のちょっとした発言や態度、メールの文章、送信時間、圧迫面接、NG質問、オワハラなど、少しでも上から目線と捉えられたら、SNSを通じて一瞬で広がってしまいます。

これまで当たり前のようにやっていた採用活動の常識自体が、今は上から目線と映るようになりました。
炎上しないために大切なことは、基本的なことですが、採用活動は、企業、求職者は対等な立場で、双方が「選び、選ばれる」場であることを再認識し、一人ひとりの求職者との出会いに感謝し、誠実に対応することです。
特効薬はありません。みんなで気を付けていきましょう。