第146回 フィードバックは、自分のことを棚に上げてでも厳しく伝える。

いよいよ2024年卒業予定者に向けたインターンシップがスタートします。
インターンシップで学生の満足度を高めるために最も大切なことは、フィードバックです。

2024年卒の学生は、大学入学と同時に緊急事態宣言が発令され、ほとんど学校に行けず、オンライン上で過ごしていました。新歓コンパや課外活動、留学なども軒並み中止となり、対面でのコミュニケーションに慣れないまま大学3年生を迎えています。

このまま社会に出ることに不安を感じたり、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」のネタが無い焦りから、この夏のインターンシップで2年間の鬱憤を晴らし、大きな経験と成長を手に入れようとしています。こんな熱い気持ちで参加する学生に応えながら、自社への興味を持ってもらうには、適格で厳しいフィードバックを行うことが絶対条件です。

実際のインターンで行われているフィードバックのほとんどが、褒めるだけの優しいものです。それでは、学生は物足りなく感じ、貴社の魅力も伝わりません。
「自分もそこまでできてないしなー」と自分と照らし合わせて強く言えない方もいらっしゃるかもしれません。逆です。

フィードバックは、自分のことを棚に上げてでも厳しく伝えることをお勧めします。学生のためのフィードバックは、結局自分にも突き刺さるからです。フィードバック内容を自らにも言い聞かせ、学生と一緒に成長していけばOKです。

フィードバックのポイントは主語を「うちの会社」にすることです。
ただ指摘するだけではなく、「あなたの自分から笑顔で話しかける姿勢はうちが大切にしていることそのものです」「1分遅刻したね。私たちは1秒の遅刻が信頼を失うという覚悟でやっています」などと、ポジティブもネガティブもすべて自社に関連付けてフィードバックをすることです。
そうすれば、学生の成長だけでなく、会社の想いや価値観まで伝えることができ、双方にとっていいインターンシップになります。