第18回 内定式を学生自身にプロデュースさせる

10月に入り多くの企業様で来春入社予定者の内定式が行われたのではないでしょうか。内定式では、学生に入社意思を固めてもらい、会社への帰属意識を高めてもらえるよう、各社様々な工夫がこなされています。たとえば、内定式を学生自身にプロデュースさせ、結婚式風に行った企業もあるようです。

学生自身が「就活は恋愛と同じ」と考え、結婚式風にアレンジしたその内定式は、会場がチャペルに変身し、ウェディングドレスを身にまとった新入社員がレッドカーペットを歩いて登場します。その後、各部署から祝辞が述べられ、学生一人ひとりが誓いの言葉を述べます。新入社員初めての協同作業であるケーキ入刀もあり、最後には新入社員のビデオレターを流すなど結婚式本番さながらの内容に仕上げました。これらの内定式を見ていた既存社員も新入社員の入社に感激し、涙する方もいたそうです。これを機に、更に会社の団結力もあがることでしょう。

内定式を自らプロデュースすることで、社会人基礎力の「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」これらの3つが実践で鍛えられることになりました。現在の学生は、素直だけれども、これら3つの力が劣っていると言われています。そんな中、同社はただそれを嘆くだけでなく、自ら学生の意識を変えさせることにチャレンジしました。

とくに同社はベンチャー企業であり、仕事は与えられるものではなく、自分から取りにいかなければならない環境で、自らどんどん動き、多くの人を巻き込んで仕事を遂行することが大切だということを、入社時に身を持って体験させました。そこまで手が回らないという企業様も多いかと思いますが、目が回るほど忙しいベンチャー企業が、このように時間を作って行っています。これは中長期的に見て有益で大切なことだからです。急がば回れ。目先のことだけでなく、将来の企業像を考えると、このような取り組みはとても大切ですね。