第22回 スグに辞めるのは、若手だけの責任ではない。

「最近の若者は少し嫌なことがあったらすぐに辞めてしまう」という人事の方のお話をよく伺います。確かに最近の若者は、喰うに困るわけではなく、職が無くても生きていける方が多いため、少しの困難でも辞めてしまうこともあります。しかし、これらを嘆いても仕方ありません。彼らが悪いのではなく、生まれ育った環境の影響が大きい訳で、受け入れるしかありません。

私の経験上、離職率が高い企業様は、「仕事は見て盗め」「自分からもっと働きかけろ」「モチベーションは自分で上げろ」など、社員教育に力を入れるよりも、若者に主体的に動くように促し、勝手に成長していけ、というマネジメントをされているところが多いように感じます。しかし、今はそのような若者は多く存在せず、このギャップが早期離職の大きな要因になっています。

しかし、こんな時代でも若者中心の会社で成長している企業はあります。例えば、楽天、グリー、サイバーエージェント、カヤックなどは、現代の若者が大活躍している会社です。上手く若者のモチベーションをコントロールし、企業成長に繋げています。若者との接し方次第では、世界とも戦える人材に成長させることも可能なのです。それも難しいことでなく、誰でもできるちょっとしたことです。

例えば、転職者を採用した場合、

■初出勤後は、挨拶・自己紹介の場を必ず設ける
■笑顔で挨拶をし、積極的に話しかける
■入社日の浅い段階ではランチに誘う
■入社2週間以内に歓迎会を開く
■話しかけられたら、作業を止めて体を相手に向けて聞く
■PCやコピー機の前で困っていれば声をかける
■会議などで社内用語が出た場合は解説してあげる
■気軽に悩みや相談に乗ってあげれる雰囲気を用意する

など、とても簡単なことです。

いくら能力の高い方でも、周りの協力が無ければ、せっかくの実力も発揮できません。若者の責任にせず、受け入れる側からも歩み寄る努力が必要だと思います。