第23回 学歴の耐えられない軽さ やばくないかその大学、その会社、その常識

著者は「みのもんたの朝ズバッ!」でコメンテーターもしている海老沢氏。私立大のトップである早稲田大学政経学部の入学者のうち、一般入試者の割合はたった39.3%という事実をあげ、大学名だけで判断する企業の採用活動に疑問を呈しています。また、就職人気ランキングを上げるために、企業が大学サークルにビールの差し入れをしている裏事実や、「就職じゃなくて就社でいい。そしてその後に転職すればいい」という著者独自の理論をデータを駆使して記しています。

著者はいつもインパクトを与えるために、逆説的なことを極論で伝えるので、説得力はありますが、「そればかりではない」ということも多々あります。鵜呑みにせず、「こういう考え方もあるんだ」程度のスタンスで読まれるのがいいかと思います。

ただ、彼の著書を数冊読んでいくなかで、マスコミや世間の常識を鵜呑みにせず、実際に自分の目でデータを確認し、分析することや、常識を疑って自分の頭で考える能力は必要だなと思えます。そういう気付きを与えてくれるという点でも、読んで損は無い一冊です。