第37回 就活の短期化で、学生は勉強に専念するのか。

就活の開始時期を、2016年卒業予定の学生から、“3年生(院1年生)の3月に”という案を政府が経団連に要請しました。経団連も容認の考えを示しています。目的は、就活の長期化による学問への影響を少なくするためです。この要請に対して、各方面で賛否が分かれています。反対派の意見として多いのは、

■就活の時期を遅らせたからといって学生が勉強に励むと思っているのは愚かな考えだ。学生が勉強しないのは、就活の時期の問題ではなく、魅力的な授業がないからだ。

■要領の良い理系は4年生のGW前後には内定を獲得し、残りは卒業研究に集中している。それが、3年生の3月からになると余計卒業研究に支障が生じる。

■就活を通じて学生は成長する。大人との接点が増える、日経新聞を読む、敬語を話す、ハキハキ話す練習をする、相手にどう見られているかを考える、自分って何だ、仕事って何だ、働くことってなんだ、ということを考える。これらは、社会に出る前に必要な過程。就活の時期が短くなるとそんなことを考える余裕もなく、内定獲得だけに奔走することになる。

■知名度の低い企業は、ますます採用活動の苦戦を強いられるだろう。学生は企業研究の時間がないため、知っている企業しか受けない。また、説明会や選考がバッティングする機会が増えるなど、マイナスしかない。

■知っている企業からから受け、落ち続けたころには卒業目前になる。未内定卒業者が続出するだろう。

■経団連に加盟しているような知名度の高い企業はスタート時期を遅らせてもなんら問題がない。米倉会長さん、もっと日本国全体を考えてほしい。

など。なかなか正論が多いように感じます。
私たちのお客様の多くが中堅中小企業ですから、短期化への反対意見には共感できるところが多くあります。そんななか、私たちができることは、社名だけで選ばない就職活動の大切さや、知名度が低くとも播磨には、素晴らしい企業がたくさんあることを例年以上に繰り返し学生へ伝えていくことです。頑張ります!