第38回 採用するタイプはバラバラでも理念の共有だけは絶対必要

採用活動を始める前には、必ず求める人物像を決定しますが、複数名採用する場合、その全員が同じ求める人物像である必要はありません。自主的に動いてくれるタイプが理想の人材だとしても、そればかりだと社員同士で衝突が起きて物事が前に進みにくいこともあります。その場合は、指示したことを確実にこなしてくれるタイプを数名採用し、バランスのとれた採用を行うことも必要です。

また、企業の現在置かれている環境化によってタイプを変えることも必要です。たとえば、創成期や成長期であれば指示を待たず自主的に動けるタイプが必要ですし、成熟期であれば言われたことを確実にこなすタイプが必要です。どのタイプが良いという訳ではなく、どのタイプも必要です。

しかし、求めるタイプはバラバラでも、一つだけ譲ってはいけないことがあります。それは、“自社の理念に共有できるか”です。タイプが違っても、また、仕事の進め方が違っても、理念を社員全員が共有していれば会社は必ず良い方向に進みます。

はりまっちには、「播磨の人と企業を結ぶ架け橋になりたい!」という創業時の理念を社員全員で共有しています。しかし、メンバーの性格も仕事の進め方もみんなバラバラです。ですから、サイトやイベントの企画会議などではよく喧嘩もします。

しかし、目指している方向性は一致しているので、それが原因で物事が進まないということはほとんどありません。たとえば、自分が反対していた企画が採用され、それが大成功を収め企業からも学生からも喜ばれた場合、理念が共有されていなければ、それを悔しいと思い、嫉妬心も生まれ不穏な空気が流れるかもしれませんが、理念がしっかり共有できているので、そのことも素直に喜べます。

また、お客様からの急な依頼で残業を余儀なくされた場合、理念が共有されていなければ嫌々仕方なく残業をこなすでしょうが、はりまっちのメンバーは、この残業がお客様の笑顔につながると思え、残業も頑張れます。

このように、どれだけ優秀で求める人物像だったとしても、理念を共有できない人材は絶対に採用してはいけません。逆に、多少スキルに目は瞑っても理念に共有できる方を採用する方が賢明だと言えます。