第49回 なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか?6時に帰るチーム術

生産性を高め、残業をしなくても成果を出す仕組みが書かれている一冊です。著者は「株式会社ワーク・ライフバランス」という会社を経営する小室氏。社名の通り企業に対してワークライフバランスの実現を提案している会社です。

著者の基本的な主張は3つ。①仕事は個々の裁量に任せるのではなく、チームで組織的に進め、「自分にしかできない仕事」を徹底排除する。②部下に自ら働きかけ、褒めながら仕事は任せるタイプの上司を理想とする。③情報は社員全員で共有する。その3点を基本軸に、25個の具体的な手法を展開しています。

朝メール、夜メール、1週間記録シート、業務分析シート、課題とビジョンを共有する、課題発見シート、見直し面談、ムダとり会議、引継ぎマニュアル、マルチ担当制、カンタンIT、全部議事録など、今日から使える細かい内容が書かれていて、残業を減らす取り組みをしている企業様ならきっと参考になる一冊です。

しかし注意したいのが、残業をただ減らすことだけを目的にしてはいけないということです。真の目的は「短時間で成果を出す」ことです。残業を減らすことだけを目的にして、業績が下がってしまえば何の意味もありませんので。