第51回 売手市場では、昨年までの採用手法を変えてみる。

神奈川県鎌倉市にあるIT制作企業の面白法人カヤックが、「ぜんいん人事部化計画、始動!」と打ち出し、社員199人全員を人事部に配属したそうです。人事部に配属された社員は、自分の人脈の中に、「ぜひ一緒に働きたい!」という人がいれば、書類選考を免除し最優先で面接を案内する「ファストパス」と、いきなり最終面接から選考が始まる「ラストパス」というカードを渡すことができる権限を与えられます。つまり、社員全員がリクルーターです。

社員一丸となって採用活動を進めることで、優秀な人材を逃さない狙いがあるそうです。他にも現場の社員が人事施策を考えることで机上の空論ではない実現可能性が高いアイデアが出てくることや人事部の仕事を通じて会社を“自分ごと”として捉える効果があるそうです。労務管理など、専門の社員が行うべき業務は残りますが採用や面白く働ける制度作りなどは現場社員が行う方が効果があることが多いと、同社の人事部は言います。
ここまで斬新なことはできなくても、採用や人材に対する意識は見習いたいですね。

話は変わりますが、先月「はりまっち2016」のプレサイトがオープンしました。新卒採用市場は、2015年採用がほぼ一段落した企業様も現在継続中の企業様も、休む間もなく2016年卒業者の採用の企画・計画を立てる時期にきました。ご存知の通り2016年卒は、倫理協定上は2015年3月からスタートします。「はりまっち2016」も3月1日エントリースタートとなります。

この就活短期化は、知名度の低い企業や中小企業にとってはマイナス要因が多くなります。たとえば、知名度の高い企業と同時期に採用活動をしなければいけない点や、各地で開催される合説日程の重複、同業他社との説明会日程のバッティングなど、例年以上に母集団形成に苦戦されることが予想されます。それに加え、圧倒的な売り手市場です。昨年までの採用手法では採用目標に追いつかない可能性があります。

これを転機と捉え、積極的に新しい取り組みを行う姿勢が学生からも共感を得ることになるかもしれません。はりまっちでも、面白い採用活動をしている企業や、学生の意識調査など旬な情報を随時ご報告させていただきます。一緒に売手市場採用を乗り切りましょう。