第54回 新卒一括採用のメリットと課題

9月27日(土)に2015年卒対象の合同就職説明会を開催しました。当日は50社の企業様と200名を超える学生に参加をしていただきました。この日の出会いがきっかけとなり、良いご縁につながれば私たちとしてはこれ以上嬉しいことはありません。

さて、その合説で個人的に気になったことがありました。それは既卒者が応募可能な企業様が37社もあった点です。新卒一括採用は度々批判をされますが、批判対象として最初に挙げられるのが、新卒で就職できなかった学生は卒業後の就職の可能性が閉ざされてしまう問題です。しかし、今回の合説では75%近くの企業が既卒者可能という現実です。門戸はしっかり開かれているのです。

2年ほど前にソニーが3年未満の既卒者も新卒扱いすると発表したことでそこそこ話題になりましたが、私たちにとっては「普通のこと」で、として驚きはありませんでした。前回のコラムでご紹介した就活後ろ倒し問題にしても、この新卒一括採用批判にしても、首都圏の大企業の話であって、はりまっちのお客様には当てはまらないのだと思います。むしろ、はりまっちのお客様は全国規模の企業に比べて一歩進んだ採用活動をしているといえるかもしれませんね。

この新卒一括採用の賛否議論は、賛成派も反対派も極論で話すため、いつまで経っても平行線のままなのだと思います。オールオアナッシングではなく、メリットは認めて残し、デメリットを解決していけばいい話です。新卒採用はデメリットよりメリットのほうが遥かに多いことは、採用に携わっている方なら誰でも感じるところだと思います。日本の失業率が安定的に低いのも、この新卒一括採用のおかげです。学生側からすれば就業経験がなくても企業に就職でき、給料を貰いながら経験を積むことができる素晴らしい仕組みです。

米国などでは就業経験がないと就職が難しいのが現状です。新卒で就職が決まらなかった若年者に対しても門戸を広げて採用の可能性を広げさえすれば、この問題は解決するのではないかと考えます。ダイネングループでも、既卒者を採用し、現在2年目ながら大活躍してる者もいます。ソニーの既卒者採用に驚きはありませんでしたが、ソニーのような企業が大々的に発表してくれたことで、少しでも他の大企業にも影響があれば嬉しい限りです。