第55回 怒られ力 新社会人は打たれてナンボ!

今年の新卒社員が入社して半年が過ぎました。ご活躍はいかがですか?怒られ慣れていない新入社員にどう接すればいいか悩んでいませんか?そんな状況なら、この本をお薦めします。

怒られるとすぐに辞めてしまうほど、怒られるのが苦手な新入社員。厳しい落語界に身を置く著者・桂福丸が、打たれ弱さに悩む現代の若者に向けて、怒られることに対応できる力「怒られ力」の身につけ方を、新社会人のマサオ君というキャラクターを用い、分かりやすく解説しています。また、新入社員をどう叱り育てていけばいいのか、やり過ぎると「パワハラ」と取られてしまうのではないかと、頭を悩ましている上司や先輩にも、勉強になる一冊です。

その中でも「はじめから仕事に楽しさを求めない」という主張には特に共感できました。はじめての環境で働くことは、楽しくないものです。仕事ができないうえによく怒られ、上司との関係性ができていないため、わからないことがあっても聞きにくい。そこで「楽しくないから辞める」といって転職したとしても、また楽しくない環境が待ち受けているだけです。

同書で書かれている通り、最初は怒られるのは普通だと受け入れることができれば、早期退職も減っていくと思います。ちなみに、本書に感銘を受けた江崎グリコ社長の江崎勝久氏は、新入社員向けの研修にも活用しているそうです。