第57回 年末年始に今後の雇用について考えてみました。

年末にTBSの番組で、解雇通告をされたプロ野球選手のその後が放送されていました。解雇通告をされた選手の中には、結婚式を1ヶ月前に控えている中でクビ宣告をされた方もいました。その後、どこも再契約をしてもらえず、民間企業への就職活動をしている姿がありました。

プロ野球選手の平均寿命は4.5年。18歳で入った選手は、22歳で別の進路を考えないといけないことになります。プロ野球選手の平均年俸は3,678万円、中央値は1,500万円と、私からしたら夢のような金額ですが、この短い平均寿命を考えると、決して高くないのかなとも思えます。

また、元旦に放送されたテレビ朝日の「朝まで生テレビ」では、産業競争力会議の民間メンバーを務める竹中平蔵さんが、「正社員をなくせばいい」と発言しました。同じ仕事をするのならば、非正規社員であっても正社員と同じ賃金や待遇を得られる「同一労働・同一賃金」の制度が必要だとして、そのためには正規の社員と非正規社員の垣根をなくす必要がある」と発言しました。この発言にネットでは様々な意見が寄せられました。竹中さんは、パソナの会長も勤めており、パソナに有利になるような発言を繰り返しているとの噂が絶えませんが、この発言に関しては正論のような気もします。

年末年始に放送されたこの二つの番組は、今後の雇用について考えさせられる良いきっかけとなりました。

これからは、安定という言葉は無くなっていくのかもしれません。会社は安定していても、雇用は安定しない。常に自らのスキルを磨き続け、会社が必要なスキルを持つ人材が高い給与で雇われ、そのスキルが不要になると解雇される。そんな働き方になっていくのかもしれません。逆にプロ野球選手のように、不安定な非正規社員のほうが、高い給与が支払われるかもしれません。

ともあれ、どんな雇用環境であろうと、会社に安定を求めるのではなく、自らのスキルを磨き市場価値を高め続けていくことが、一番のリスクヘッジになりそうですね。

もう、家でのんびりと、せんべいを食べながら、バラエティ番組を見るという生活ができなくなってしまうのかな。と、新年早々悪い想像をしてしまいましたが、切り替えて目の前の仕事に全力を注ぎます!本年もよろしくお願いいたします。