第64回 クリエイティブ人事

キャリア論に詳しい神戸大学大学院教授の金井壽宏さんと、ユニークな人事制度を数々と生み出しているサイバーエージェントの人事部長曽山哲人さんの共著です。

サイバーエージェントの藤田社長は、「優秀な人材を集めてしっかり教育すれば、どんな事業であってもそれ自体が競争力になる。仮にサイバーエージェントがうどん屋をやっても成功できる」と言うほど、採用や教育など人材に関することには大変力を入れています。

曽山さんは人事として現場でそれを具現化されている方です。サイバーエージェントの人事制度は、アイデアも凄いのですが、それを社員に浸透させ、うまく活用できる点がとくに優れています。

その方法も詳しく書かれており、制度導入時の「しらけのイメトレ」や、矛盾する経営陣と現場双方の意見を叶えようとする「AND思考」などは、目から鱗です。「新しい制度を作りたいけど上手く活用されるかな」「従業員満足は上がっても、経営層は反対するだろうな」などと躊躇していたり、制度の定着に悩んでいる人事の方には、ピッタリの一冊です。

当書では、制度の紹介だけでなく、制度を導入するに至った背景や、運用方法(経営者や社員の不満にどう回答するかなど)も書かれていて、知的好奇心をくすぐるだけでなく、実際に現場で使える内容が盛りだくさんの充実した一冊です。