第76回 「何を話すか」より、「どう話すか」「誰が話すか」が大切。

「合説の時とあまり変わらない話ばかりで、意味を感じなかった」
「淡々とパワーポイントに沿って説明をしていくだけだった」
「スライドを見るだけで質問の時間もほぼ取られず終了した」
「人事担当者が資料を棒読みするだけの説明会でした」

これらは、17卒の学生に「会社説明会で志望度が下がった会社があれば、その理由を教えて」と聞いたときに出た回答の一部です。会社説明会は、会社を説明する場ではなく、学生とコミュニケーションを取る場なのだと改めて感じました。

しかし一方で、「志望度が上がった会社説明会はどんな内容?」と聞くと、

「人事担当者の方が優しく魅力的だったから」
「社員の方が楽しそうで、雰囲気が良かったから」
「若手社員の方が活き活きとしていたから」

と、質問の答えにはなっていない、人に関する回答ばかりでした。「内容自体はどうやったん?」と質問をすると、「内容は、まぁ会社の説明とか仕事内容の説明とかですね」と言います。

恐らく説明会のコンテンツ自体は、志望度が下がった会社とほとんど同じ内容なんだと思います。しかし、話している人の印象で、捉え方が大きく変わるんだと感じました。つまり「何を話すか」よりも「どう話すか」「誰が話すか」が重要ということがハッキリわかります。

同じ台本でも、「熱意、笑顔、声の大きさ、抑揚、イントネーション、緩急、間、身振り手振り、質問の投げかけ」などを意識するだけで受け手の印象はガラリと変わります。説明会は、プレゼンに慣れていて、学生を惹きつける魅力のある社員が行うのがベストです。それも、ぶっつけ本番ではなく、学生を惹きつけられるかどうかを意識しながら、何回もリハーサルをする必要があります。会社説明会で学生の志望度を上げている企業は、この準備にものすごく時間をかけています。

そしてそれに加え、コンテンツ自体も充実させられれば鬼に金棒です。 HPや配布する会社概要を見ればわかる内容をイチから説明したり、合説と変わらないような内容ではなく、会社説明会だからこそ得られる内容を意識してください。若手社員との座談会や、会社見学会、見学中に社員への突撃インタビューなどは好評です。