第85回 いい人材が集まる、性格のいい会社

中小企業こそ性格の良さで勝負しようという趣旨の本で、多くの企業の事例が掲載されています。とくに勉強になったのが、従業員5名の医薬系のベンチャー企業の採用の話。

社長は元々大手企業の役員クラスまで勤めた経験があり、実績、人脈、技術力は申し分なく、著者はそれを候補者に必死に伝えましたが、誰も応募してくれません。そこで社長以外の4名の方に「なぜこの会社に入ったのか」を聞くと「社長のホンワカした人柄に惹かれて」「自由にやれそう」「ワークライフバランスが取れる」といった社長のタイプや社風が理由だったそうです。

今度は「こんな経歴の優秀な方が、こんな理由でこの会社に入りました」と伝えたところ、スグに入社希望者が集まったそうです。小さい会社は、求職者に安心してもらおうと、技術力や商品力、取引先などハード面を伝えがちですが、小さい会社ほど、社風や社員のタイプなどを伝えるほうが採用につながるという好事例です。

ただ、その社風が悪かったり魅力的な社員がいなければ、採用はかなり不利になります。良い人材を採用するなら、まずは会社の性格をよくすること。明るく振舞える人が欲しいなら、まずは会社を明るくすること。これが基本ですね。