第103回 社長!その就業規則 今のままでは紙切れ同然です!!

義務を果たさず権利だけは主張する社員対策としてお勧めの一冊です。著者は社労士として、これまで数々の労働問題を解決してきた労働トラブルのプロフェッショナルです。

就業規則を厚労省の見本や他の大企業のものを真似て作ると、労働問題に巻き込まれたり、大きな損害を被ったりすると警鐘を鳴らし、よくトラブルとなるケースを個別具体的に解説してくれています。

就業規則は、使用者も労働者もお互いが気持ちよく働くためのルールです。当然その中身は、従業員を規則で縛るだけのものではなく、権利もきちんと伝える信賞必罰が原則です。従業員のモチベーションが高まるような就業規則であれば、しっかり義務も果たしてくれるでしょう。

「就業規則なんて見たことがない」「入社日にさらっと説明されただけで詳しくは知らない」そんな従業員が多い場合は、当書を一読し、もう一度就業規則を見直し、従業員全員にじっくり読み込ませ、解説する機会をとってください。また内定者には、できれば入社前に読み込ませ、「義務と権利」を理解してもらってから、最終的に入社するかどうかの判断をしてもらう流れが理想的です。