第105回 サービス業とBtoB企業の逆襲。

「2億円事件。」
大晦日の新聞朝刊の全面に、デカデカとその文字が打ち出されました。これはラーメンチェーン幸楽苑が出した広告で、広告の意味は、元日を休業することで、売上2億円を失う。それでも従業員のために休みます、という社長のメッセージでした。消費者ではなく、人材確保を意識した広告です。

幸楽苑同様に、人材確保へ向けて、各社様々な取り組みを行っています。「いきなり!ステーキ」で業績絶好調のペッパーフードサービスの一瀬社長は、週刊東洋経済の「新春合併特大号 2019大予測」のインタビューで、「入社後最初の3ヶ月は月給50万円を約束している。だから600人もの面接者が待っている」と答え、人材確保に自信を見せました。

BtoB企業の広告も目立ってきています。播磨エリアに主要拠点を持つダイセルは「化学で未来を変えるのダ!」のフレーズが印象的なCMや、駅のデジタルサイネージなど、一般消費者の目に付く場所での広告露出を強化しています。

姫路市の大和工業は、山陽電鉄「平松駅」を「平松駅 大和工業グループ最寄駅」に変更するネーミングクライツの取得をはじめ、地元女子バレーボールチームの「ヴィクトリーナ姫路」のトップスポンサー契約や、神姫バスのフルラッピング広告、サンテレビへのCM出稿など、広報活動を強化しています。本来一般消費者に向けて発信する商品が少ないBtoB企業の広告が増えた背景は、知名度アップによる人材確保を狙ったものと思われます。

大和工業は他にも、京都大と大阪大、神戸大の学生食堂で使われるトレーに広告を出したり、京都大学経営管理大学院の学生に250万円の奨学金を支給したりと、あの手この手で学生へのアピールを続けています。

優秀な人材の確保が、そのまま企業の競争優位性に繋がるこの時代、採用が不利だと言われているサービス業やBtoB企業が新しい取り組みを始めています。ぜひいろんな採用成功企業の事例を見て、その成功要因を抽象化し、自社に応用できるポイントを見つけ出してください。