第114回 Wedge 10月号 再考 働き方改革

御社の働き方改革、早く帰ることだけが目的になっていませんか?

それだけが目的になると、決まった仕事以外やろうとしなくなり、アイデアを必要以上に拡散したり揉んだりしなくなり、ゼロから生み出す仕事やクリエイティブが求められる仕事より、テンプレートがある仕事を優先し、将来のことより目先の利益を追いかけるPL脳が蔓延し、重要だが緊急ではない仕事はできなくなり、緊急の仕事をこなすだけで1日が終わっていく。

このような働き方改革の弊害を、これまで改革の見本企業と言われ注目されていた味の素やカルビーが、この状況を問題視し、再考しているそうです。

採用活動でも、夜間・休日の面接や就活イベントの参加に制限がかかり、効率化ばかりを追求し、人間臭さや人の温もりが感じられない対応で、応募者が離れていき、会社説明会やインターンも昨年までのコンテンツを使い回し、陳腐化していることに気付きながら、新たなものを創造できていない、などといった問題が見られます。

手間暇をかけた非効率な対応こそが、人の心を動かします。何を効率化して、何は非効率であるべきか、きっちり精査する必要があります。何のための働き方改革か、ぜひ再考を。