第121回 99人に嫌われても、1人に好かれれば勝ち。

9年連続で嫌いな芸人ランキング1位の記録を持つ江頭2:50さん。もちろん地上波でのレギュラー番組はゼロ。そんな江頭さんが今年YouTubeチャンネルを開設し、たったの9日目で登録者数100万人を突破しました。これは嵐に次いで歴代2位のスピード記録で、現在は200万人を突破し、トップユーチューバーの仲間入りを果たしました。テレビでは活躍の場が少なかった江頭さんが、なぜYouTubeで人気者になったのか。

「99人嫌っても1人が笑ってくれたらそれで勝ちじゃねえか!」YouTube開設日に江頭さんはこう叫びました。成功の秘訣はこの一言に集約されているのではないでしょうか。みんなに好かれようと思ったら、当たり障りのない無難なコンテンツになりここまでの反響はなかったでしょう。一人の人の喜ぶ顔を想像して、その人のために発信することで、結果的に100万以上の人の心を掴むことができたのだと思います。

Mr.Childrenもミリオンセラーを連発しています。しかしその歌詞に対し、多くの人が「これは自分のために作られた曲か?」と思える歌詞が多く、この「自分のために」と感じている人が100万人以上いた結果、ミリオンセラーとなっているのだと思います。もし「100万人に届け」と思って創っていたら、誰にも共感されずに、日の目を見ることなく終わっていたかもしれません。一人の人を想いその人に向けて発信するからこそ、その人と同じ価値観、境遇の人も共感し、その輪が広がっていくのでしょう。

採用活動でも、みんなに好かれようとすると、誰からも好かれないといった正反対の結果になることがよく起こります。99人に嫌われても、たった1人、貴社が欲しい人材にだけ好かれて、入社してくれれば活動は終了です。多くの母集団を集めて、そこから振るい落とす採用活動は、もう過去のやり方です。求人広告やスカウトメール、会社説明会で伝える内容もすべて「入社して欲しい人にだけに届けばいい、それ以外の人には一切共感されなくていい」くらい振り切ったメッセージを発してください。「みんなに来て欲しい」ではなく、「あなたに来て欲しい」。これが、現代の採用活動です。