人事担当者向けオススメ本

第91回 採用学


採用学 (新潮選書) 服部 泰宏

採用活動の歴史から採用のノウハウまでが詳細に書かれた、まさに学問といえる一冊です。採用に関わる方なら読まれた方も多いかもしれませんね。採用担当者さんのバイブルと言っても大げさではないくらい素晴らしい本です。

著者がこの本を通じて最も伝えたかったことは、序章と最終章で繰り返し述べている「優秀さを創り出す」ことだと思います。「コミュニケーション能力や主体性があれば優秀」といった世間一般の常識ではなく、「自社にとっての優秀とは何か」を定義することで、競合に負けない採用活動ができるといいます。つまり、採用を成功させるためには、他の会社では評価されない能力でも、自社にとっては評価できる能力を見つけることが大切だと伝えています。

メジャーリーグ球団のアスレチックスも、独自のスカウト戦略 (採用基準)を設け、他球団は見向きもしないような選手を次々と獲得しました。そして彼らが活躍することにより、アスレチックスは弱小チームから強豪チームに急成長しました。これも 「自分たちにとって優秀さとは何を指すのか」を定義した成果です。すべての会社でこの考え方が広まれば、内定の一極集中化がなくなり、採用活動が楽になるかもしれません。

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第92回 革命のファンファーレ 現代のお金と広告

インターンや説明会の動員をどう増やすか、この難題に対し、大きな気付きを与えてくれる一冊です。

著者は絵本「えんとつ町のプペル」を30万部突破のメガヒットへと導いた、お笑い芸人であり絵本作家のキングコングの西野亮廣さん。この本の中から、動員(集客)にテーマを絞ると「ネタバレ」と「口コミのデザイン」「作り手へと巻き込む」の3つがキーワードになると思います。

まず「ネタバレ」ですが、「えんとつ町のプペル」はネット上で無料公開することで、逆に販売部数が伸びるという結果になりました。はりまっち主催のセミナーでも、伝える内容を先にネットで公開することにより、集客が一気に伸びました。インターンや説明会で話す内容は、ネタバレを恐れずに先に公開してみてください。

「口コミのデザイン」は、企業側で「このインターン面白いよ」というより、学生に「●●社のインターン面白かった」と言ってもらうほうが遥かに効果的です。学生にこう言ってもらえるよう戦略的に口コミをデザインする必要があります。そのためには、一方通行のインターンではなく、学生も「作り手になる」体験型のコンテンツが効果的です。インターンや説明会の動員に悩んだときは、この本を参考にしてください。

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第93回 イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」

さぁ、ここからの6ヶ月間は採用担当者様にとって、勝負であり、激務な日々が続きます。時間がいくらあっても足りない毎日だと思いますが、一度立ち止まってこの本を読んでみてはいかがでしょうか。本来やるべき仕事に集中し、限られた時間で最高の成果を出すヒントが得られます。

やらなければいけない仕事や、前任者から引き継いだ定型業務も、実は捨ててしまってもあまり支障が無いことも多々あり、それに気付くことにより大幅に業務を削減することもできます。そのためには常に「これは何のための仕事か?」と疑い、その仕事の目的や背景を考える癖をつけることが大切です。

また、目の前の課題に対しても、スグに解決のためのアイデア出しに走るのではなく、その課題自体が間違っている可能性もあるため、まずは正しい問いをつくることから始めることで、一気に解決が進むこともあります。採用業務の生産性を高めるだけでなく、「働き方改革」を推進していくうえでもうってつけの一冊です。

読みやすい文章で書かれていて一読するにはそれほど苦労しませんが、その奥はかなり深いため、何度も読み返さないと、自分の血となり肉となることは難しいと感じます。また、内田和成さんの「論点思考」と「仮説思考」も一緒にお読みいただくと、より理解が深まると思います。

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第94回 「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標

65万部突破の「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズの坂本光司先生が これまでのいい会社の取材経験を基に いい会社を診断する100の指標によるテストを作成し、公開した一冊です。

ブラック企業と言われる会社は、社員をコストと考え、いろんな言い訳を連ねて残業代を支払わなかったり、名ばかり管理職に大量の業務を押し付け長期残業を強要したり、しっかり面接をしたうえで採用した社員の首を平気で切ったりします。それが結局自分たちに返ってきて、社員は疲弊し、モチベーションや愛社精神は下がり、離職率も高くなり、その悪評がどんどん広まり、人材採用にも悪影響が出て、結果業績も悪化するという負のサイクルに陥っています。

当書に出てくる「日本でいちばん大切にしたい会社」は、まったくその逆で、社員に優しく、社員への投資を惜しみません。当然社員のモチベーションや愛社精神も極めて高く、社員みんながイキイキと働き、それがお客様にも伝わり、優秀な人材も採用しやすくなり、業績も好調な企業ばかりです。

業績を上げたいなら、社員を大切にするべきだということがこの一冊でよく理解できます。社員をコストとしか考えられないような会社は、これからどんどん淘汰されていくでしょう。

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第95回 「ビジネスマンの国語力」が身につく本

「話が具体的過ぎて、さっぱりわからなかった」。これは3月6日の合説で、ある企業の説明を聞き終えた学生の一言です。
この企業の担当者様は、とても優しく気配りのできる方で、学生に分かりやすく伝えるために、抽象的な話は避け、具体的に話そうとしてくださったのですが、それが裏目に出てしまいました。

「話が抽象的で分かりにくい」は、よく聞きますが、このケースでは逆でした。確かに、まだ興味を持っていない段階で、具体的な部品の名前や日々の仕事内容を聞かされても、話に付いていけず、余計分かりにくくなります。説明の上手な方は“具体と抽象”を見事に使い分けています。特に合説のような短時間で興味を惹きつけなければいけない場面では、抽象度を上げて説明し、魅力を伝えなければいけません。当書は、そんな抽象化思考を鍛えるのに最適な一冊です。

また、TV番組の「アメトーーク」も参考になります。同番組では、同じ趣味を持つ芸人同士がトークを繰り広げる回があり、その趣味に全く興味の無い人に対しても、とても分かりやすく伝えています。特に例え話は秀逸で、真似したいスキルです。これらを参考に、場面に応じて、“具体と抽象”を使い分けたプレゼンを心がけてみてください。