人事コラム

第114回 魚釣りの意義まで伝えないと、若者は自走しない。

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」空腹の子に魚を与えるとその日は凌げるが、一生誰かに与えてもらわなければ生きていくことはできない。しかし魚の釣り方を教えれば生涯食べていける、という意味です。しかし現代社会では、これでは通用しません。正解が見えない今、仕事を教えてもらうのではなく、自ら仕事を生み出し、答えを創っていくことが求められます。

コーチングの世界でも 「答えを教えない」「相手に考えさせる」が基本姿勢です。新入社員にも「何したらいいですか?」 「どうしたらいいですか?」はNGワードで、「私はこう考えましたが、いかがでしょう?」と一旦自分で考えてから質問することの大切さを教えていると思います。スグに答えを教えていては、仕事は教えてもらって当たり前、与えられて当たり前となり、依存体質が染み付き、仕事で一番大切な考え抜く力や仕事を創り出す力が身に付かないまま年齢だけを重ねてしまう結果になります。

上司や先輩がいなくても、自ら考え行動できる人材が育てば、会社の成長は加速します。しかし、それは分かっていても、なかなか思ったように自律自走型人材が育たないという悩みをお持ちではありませんか。その理由は、今の若者が空腹ではない、つまり飢えていないからです。現在、食べるために働いている若者はほとんどいないはずです。幼い頃からいろんなものを当たり前のように与えられ、何不自由なく暮らしてきて、社会人になった瞬間、急にそんなことを求められても若者も困ります。自ら仕事を創り出す意味や答えを創ることの大切さを理解できないのです。

そんな若者の心を動かすには、魚釣りの意義や楽しさ、魚を釣った後の景色を先に伝え、自ら「やりたい!」とワクワクしてもらうことが大切です。一つひとつの仕事の意義を伝え、ワクワク感を持たせれば、勝手に自走し始めます。ほっておいても自ら効果的な魚の釣り方を考えるように、まずは釣りの意義を伝える。ぜひ今日からやってみてください。